第六章
「もう仲直りしたのか。つまんないな」
マスターは右手を腰に当てながら、溜め息混じりに呟く。クレイジーはマスターの右腕に左腕を絡ませると、小首を傾げて。
「ここにあるモノ、全部欲しいんだ?」
モノ、という表現には賛成できないが、ルーティはとりあえず黙って頷いてみせる。
すると、マスターとクレイジーは顔を見合せ、ニヤリと口角を吊り上げて。
「ガノンドロフ。リンクを返してやりな」
変わった命令。
しかし、マスター直々なのだから逆らうわけにもいかず、色黒茶髪の男、ガノンドロフはリンクの首根っこを掴むと、ロボットとゲムヲがいる方向へ投げ飛ばした。
ロボットは素早くマリオを地面に下ろすと、駆け出し、リンクを抱き止めて。
「こうしよう」
何をするんだ! そうルーティが叫ぼうとしたその時、遮るようにマスターは口を開き、続いてある条件を口にする。
「ルーティ。君が一人で戦って、勝つことが出来たら皆を返そう。必ず、一人でだ」