第六章
「何故止めるのだ」
クッパはすかさず、銃弾が放たれた方向を睨み付けた。刹那、影から現れたのは。
「ウルフ……」
ルーティは呆然とその名を呼んで。
もう何年も会っていなかったような、そんな感覚がルーティを襲う。しかし、ふざけて懐かしんでいる場合ではないのだ。
「へえ。楽しそうじゃん」
そんな声が聞こえて、ホールの奥から現れたのはクレイジー、そしてマスター。
「僕と兄さんも混ぜてくれる?」
ルーティは咄嗟に睨み付けて。
――その時、突き刺さるような殺気を背中から感じ取り、ルーティは振り返る。そこに立っていたのは、紫色の髪の少年。
「彼はタブーだよ」
「ふふ、一緒に遊んでみる?」
いつの間にか両隣に移動していたマスターが右から、クレイジーが左から囁いて。
ルーティはすかさず飛び退いて。
――あんなに警戒してたのに、あっさり踏み込まれた。やっぱりこいつら、強い。