第六章



「何故止めるのだ」

クッパはすかさず、銃弾が放たれた方向を睨み付けた。刹那、影から現れたのは。

「ウルフ……」

ルーティは呆然とその名を呼んで。

もう何年も会っていなかったような、そんな感覚がルーティを襲う。しかし、ふざけて懐かしんでいる場合ではないのだ。

「へえ。楽しそうじゃん」

そんな声が聞こえて、ホールの奥から現れたのはクレイジー、そしてマスター。

「僕と兄さんも混ぜてくれる?」

ルーティは咄嗟に睨み付けて。

――その時、突き刺さるような殺気を背中から感じ取り、ルーティは振り返る。そこに立っていたのは、紫色の髪の少年。

「彼はタブーだよ」
「ふふ、一緒に遊んでみる?」

いつの間にか両隣に移動していたマスターが右から、クレイジーが左から囁いて。

ルーティはすかさず飛び退いて。

――あんなに警戒してたのに、あっさり踏み込まれた。やっぱりこいつら、強い。
 
 
27/61ページ
スキ