第四章
ぶわっと涙が溢れてきて、カービィは思わず、デデデの胸に顔を埋める。
「だって……ただ、いつも通り笑ってほしいだけなんだよ……? なのに、なんでっ……皆、笑わないんだよ……っ!」
己の内に秘めた心境を語り、カービィはしゃくり上げて。デデデはただ、何も言わずに優しく頭を撫でていた。
「どうすれば、よかったの……?」
デデデの服を涙で濡らしながら、カービィは震える声で、辛そうに。
「あの時、本当に……ラディスじゃない、他の誰かが死ねばこんなことには」
「違う、と思う」
意外にも、話に割って入ってきたのはリュカだった。タオルを胸にぎゅっと握り締め、カービィを真っ直ぐに見つめて。
「ルーティ、は……ラディスさんが死んだから怒ったわけじゃない、と思うよ」
普段、ネスの後ろに隠れて何も言わないリュカが、今回こうして語るのには理由があった。――そう、彼は幼い頃に。
最愛の母親を殺されてしまっていたのだ。