第四章
フォックスはぎょっとした。
カービィは指差したまま、反応を待っている。が、フォックスは溜め息混じりに、
「違う。話をしたらウルフに打たれたんだ……それはお前も悪いって」
と告げて、頬を摩りながら目を逸らす。
「ウルフにフラれたんですねぇー、分かります! 落ち込むこたぁないよっ!」
「違うって」
こんな時に人を馬鹿にしている場合かとカービィを見遣って、フォックスは目を見開いた。……誰もが口を閉ざすわけだ。
カービィは、ぽろぽろと涙を溢していた。
ただ、誰かを笑わせたい一心で、口元だけはぎこちない笑みを浮かべていて。
「カービィ、もういい。無理するな」
見兼ねたデデデが歩み寄り、カービィの肩を掴む。しかし、カービィは振り向くと、
「やだなぁ! 僕、無理なんかしてな」
遮るようにぐいっとカービィを引き寄せて、デデデは強く抱き締める。
「してるだろ。……もう、いいから」