第四章
大粒の雨が降り注いでいる。
ルーティはカービィを気にも留めずに押し退けると、目を伏せたまま、踏み出す。
「全部、聞いたよ」
その一言で、フォックスははっと目を見開いて銃を落とした。すると、同時にルーティは駆け出して、フォックスに詰め寄り。
「なんでっ」
手荒にフォックスの胸ぐらを掴むと、
「僕の父さんを死なせたんだ!」
声を荒げては揺さぶる。
フォックスはただ、黙っていた。そうしている間に、囲うように人だかりが出来て。
「父さんはっ……戦士だった、だけど! なんで、僕の父さんだけが死ななきゃいけなかったんだ!」
――偽られてきた苛立ちが。マスターとクレイジーに敵わなかった苛立ちが。
どうしようもなく、沸き上がってくる。
「なんでっ……なんでっ……」
ルーティの頬を、涙が伝った。
「パートナーなのに……!」