第四章
「調子、乗りすぎ」
その隙に間合いを詰められ、ルーティは鳩尾をマスターに肘打ちされて。
間髪を容れず、マスターはルーティを蹴り飛ばす。すかさず、カービィが受け止めて。マスターとクレイジーは再び手を繋ぎ。
「しつこい!」
声を揃え、青紫色の衝撃波を波紋のように放つ。攻撃を仕掛けようと周囲にいた人間はまともに食らい、吹き飛ばされて。
飽きたのか、疲れたのか。
突如、マスターとクレイジーはふわりと地面を離れて空中に浮かび上がり、高く、高く空へとゆっくり昇っていく。
「マスター! クレイジー!」
ようやく我に返ったフォックスは、銃を構え、叫んだ。すると、クレイジーは。
「悪くない過ちだったよ」
ニヤリと口角を吊り上げて。
「これからどうなるかなぁ」
――不気味な笑い声を残しながら、マスターとクレイジーの姿は曇天に消えた。