第二章
一理ある。
最近は凶悪な事件が増えた。それでも目の届く範囲であればこうして対処することも出来るが全てが上手くいくとも限らない。今回の事件も犯人は現行犯逮捕にまで至ったが遺族が納得のいく形で刑に処されるのかどうかは別の話だ。
釈然としない。こういった事件は起こるよりも先に闇世界の番犬様方が目星をつけて片付けてくれるというのに──最近は動きを見せないがまさかまた良からぬ計画を企てているのか?
「おわっ」
小石に躓いたトゥーンを咄嗟に掴まえる。
「気をつけてください」
「はぁーい」
気にかけたところで野暮なのかもしれない。
彼らは。
紛うことなく"敵"なのだから──
同日。午後七時三十分。
「この芸人バッカじゃねーの?」
「えー普通に考えたら分かるのになあ」
リビングのテレビを占領しているのはピチカとディディーである。
「見る目の厳しいことだな」
「エンターテイメントですよぉ」
マリオとヨッシーは口々に。
「それを楽しむ心を忘れるとは愚か者め!」
「きゃあっ!」
ピチカに後ろから飛びついてきたのはローナである。脇腹を擽りながら、
「成敗してくれるっ!」
「やあああっ!」
……賑やかなことだ。