第十二章
誰もがその意見に当然のこと同意だった。
でも。だからといって。
──何が出来る?
「X部隊に」
ロックマンは首を横に振って断る。
「その気持ちは分からないでもないが──まさかお前だって未来を変える際のルールを忘れたわけじゃないだろう。……マック」
それを言うと先程口を出そうと身を乗り出さんとしていた本人は口を噤んで座り直した。ルキナは目を伏せながら話に続く。
「すみません。ですが、隊長の言う通りです」
未来を変えるには。
寸前まで引き付けてから抗わねばならない──
「さっぱり、分からん」
理解することを諦めたのやらラッシュは腕を組みながら椅子の背凭れに凭れる。
「ええっとですね。……現在上層部基リドリーさんが管理している光の化身キーラは覚醒させても尚従わないどころかこの世界を掌握するべく力を使って全世界の生物を無力化させてくる──このままいけば私たちも犠牲となってしまうので今はその対策を立てようという段階です」
「分かってるのよ」
ブルーの説明にルルトは頬杖をつきながら。
「分かった上で理解を諦めているの」
「いやすまん分かってなかったぞ」
「馬鹿じゃん」
パックマンが突っ込む。
「漫才なら他所でやるんだな」
「人のことは言うのに」
「なんだと?」
「喧嘩、よくないネ」
足組みをしてぼやくブラピに今度も視線すら遣らないままハルが呟けば一触即発の空気が流れたがミェンミェンが腕を伸ばしてそれを阻止。喧嘩をしている場合ではないのだ。
「落ち着くがヨロシ」
「そうですよっ!」
しずえが机に手を置いて身を乗り出す。
「今はとにかく皆さんで意見を出し合って対策を考えましょう!」