第一章
ペレジアの地が。東の大陸が遠ざかっていく。
ソニックとスネークは行きの経路を遡る形で帰るとのことであの場で解散した。残された後のメンバーは行きと同じくウルフの操縦するウルフェンの羽根に乗って天空大都市レイアーゼを目指す。マークとルフレはあまり恵まれた記憶のない生まれ故郷をようやく離れた反動からか安心しきったような顔で互いに肩を預け合って眠っていた。無理もないだろうなと思う。
僕は──この景色が好きだ。遥か彼方まで続く空と海の境界線。沈む夕陽が光を交差させて。
この世界の何と広大なことか。比べてしまえば人々の争いなどはちっぽけなことだ。もちろんそれで失われてしまう命があるのは事実であり悲哀すべき事柄だろうが良いも悪いも世界を鮮やかに魅せているというのもまた事実である。
均衡は保たれているのだ。
間違いなく。双子の神々の手によって。
「あ」
思い出して携帯を取り出す。自分たちは親睦会──基トーナメントを抜け出してあの地に降り立っていたのだ。当然トーナメントは終わっているだろうが結果だけでも知っておきたい。
と。そんなルーティの思いを汲み取ってくれたのかX部隊メンバーからひとつひとつの試合がどのような形で終えたのかメッセージが幾つも送られてきていた。簡単な感想から情景が思い浮かぶような詳細的なものまで。優勝したのはなんとマリオだったらしい。飛び上がって喜ぶルイージの姿が容易に想像できてしまう。
「ロックマン、本当に決勝まで行ったんだ」
相変わらず恐ろしいことだ。戦績を目に思わず呟いて苦笑を浮かべる。それならマリオと対戦した自分も全体の戦績から見て都合よく上位に食い込んでくれないだろうかなんて。