第十二章



称賛の言葉は嘘か真か──前者であれ後者であれキーラは冷たく視線を返すだけで。双眸は黄金色から紅蓮の色に変化を遂げてその背後に大小様々な幾つもの魔法陣を展開。間を置かずその中心部から尾を引く金色の光の矢を放てば時を同じくしてダーズも自身の後方に幾つもの濃紫色の魔法陣を展開した。程なく魔法陣の中心から外側に向かって渦を巻きながら穴が開いたかと思うと触手が傾れ込むように光の矢に飛びかかっていく。

「アハハッ! もっとだよ!」

触手を幾つも絡み合わせて作り出した自分より一回りも二回りも大きな槌を愉しそうに笑いながら振るうも羽根が阻む。そうしてギリギリと譲らず押し合いながらダーズは瞳孔を開いて叫ぶ。

「もっともっと殺し合おうよ、お兄様ァ!」


一方。


「、視えた」

雲の切れ間に神々の戦いのその様子が窺えたのだろう地上から目を見張っていたミカゲが凝らしていた目を小さく開いて言った。

「どうだった!?」
「あの羽根……復活しているで御座るな」
「なんだ復活するんじゃん」

それを聞いたカービィはがっかりした様子で肩を落としながらぼやいたがその反面ルーティはほっとしていた。自分たちがこうして順を追って懸命に立ち回っている隙に彼らの戦いに決着がついてしまっては意味がない。……何より。


僕は。彼らを。


「、って」

カービィが何かに気付いたように。

「ちょっとちょっと!?」

焦りの声を上げれば皆揃って顔を上げた。

「……おいおい!」

気付いたクレシスも声を上げる。

「あのワザ、こっちに来るんじゃねえか!?」
 
 
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