第一章
、……消えてしまった。跡形もなく。
「ひとつだけ聞いてもいいかな」
ソニックとスネークは怪訝そうに振り返る。
「君たちが応戦していたクレイジーハンドは彼自ら仕掛けてきたのかい?」
「そういえば」
はっとしたように目を丸くする。
「調査の途中で偶然鉢合わせたんだ。考えてもみれば確かに攻撃を仕掛けてこなかったな」
「仕方ないだろ。俺たちにしてみれば条件反射というか正当防衛というか」
スネークとソニックは口々に。
「すると彼らは本当に戦うつもりは──」
「……兄さん」
ルフレが呼ぶとマークはハッとした。
「ええっと」
苦笑いを浮かべて取り繕う。
「そ、そういえば。こんな所に呼び出すなんて一体なにがあったんだい?」
前述した通りペレジアは"熱砂の国"とも例えられる高温乾燥の気候の国であり治安も誇れるほどのものではない。まさか満を持して秩序を正すべく呼び付けた筈もあるまいし加えて亜空軍の主将たる創造神と破壊神のこともある。
「ああ。すっかり忘れるところだった」
「忘れちゃだめだよ」
ルーティが苦笑気味に突っ込む。
「妙なものを見つけたんだ」
「口で説明するより見てもらった方が早いな。こっちに来てくれ」