第四章
「──籠の中の鳥が全てを知った様に語るとは無知も甚だしい」
螺旋の羽が光の球を生成する。
「、!」
だがしかしそれら全ては一瞬にして弾けた。
「おっそいなぁ」
次の瞬間クレイジーはキーラの目前に。
「羽がなければ飛べもしないくせに」
囁いて。──キーラを囲うように展開した幾つもの赤の魔法陣から赤黒い光の矢が尾を引いて次々と放たれる。それは周囲に浮遊する螺旋の羽を容赦なく貫いて攻撃を与える。ダメージが入ったのだろうキーラが一度眉を顰めると赤々と燃えていた双眸がゆっくり黄色に変化した。彼自身を纏っていた透明な防壁が割れるとその隙を逃さずクレイジーは背後に回り込む。
「──!」
エネルギーピラーを使って叩き落としたが落下したキーラは即座に姿を消して少し離れた空中に現れ体勢を立て直す──間もなくマスターが指を鳴らすとキーラの周囲に反射板が出現。
見たことがある──ルーティの予想を裏切らない形で反射板は放たれたレーザーを次々に反射してキーラを狙う。これもキーラはその場から即座に姿を消すとまた別の場所に現れたが。
巨大な二つの白い手袋が──動きを先読みしていたかのようにキーラを両側から叩き潰して。
「……これが」
信仰により一時的に神力を取り戻した創造神マスターハンドと破壊神クレイジーハンドの力──