第四章



言葉を交わせるのなら或いはとも思っていたがその期待は見事に打ち砕かれた。程なくして光の球が放たれルーティ達に襲いかかる。それぞれ回避に成功したが休む暇なく赤外線センサーのように一線が走り抜けたかと思うとレーザーが所狭しと張り巡らされた。流石に次の攻撃発生までが早くこれには誰もが最低でも一箇所は掠めてしまう結果となる。

「ピチカ!」

放たれたエネルギー弾が妹の元へ飛ぶのを見てスピカは叫んだ。先程の攻撃で足首を掠めてしまったばかりに直ぐにはその場を動けない──

「、!」

防いだのは薄青の防壁。展開させたのは他でもないマスター。その隙に飛び込んだクラウドがピチカを抱きかかえて退避する。直後床を抉る勢いでその場所に螺旋の羽が突き刺さって。

「まともに躱せないなら前に出るな!」

クレイジーが声を荒げる。

「ちっ!」

続けてキーラの周囲に生成された青い電撃の弾が放たれるとクレイジーはエネルギーピラーを手に飛び出した。素早い身のこなしで一つ一つ撃ち落として被弾を防いだがキーラがゆっくりと腕を広げるとその周囲に光の球が生まれた。それぞれから円形の衝撃波が放たれると即座にマスターとクレイジーは肩を並べて互いの手を握り赤と青の壁を二重に展開する。

「……!」

防衛には成功したが攻撃には繋がっていない。それどころか防戦一方である。

「隊員各位、ワープパネルから退避!」

ロックマンが指示を出す。彼らの足枷になるのならそれこそ賢明な判断だろう。けれど全てをふたりに任せてしまっていいのだろうか──?
 
 
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