第二章-前編-
――第八回戦。
「はあぁあああっ!」
跳躍して剣を振り落としたが、鈍い音。腕を構えて装甲で剣を防いだ犯人、ガノンドロフはぎりぎりと押し込もうとするリンクを見つめニヤリと笑った。
「どうした。その程度の術ではこの魔王を倒せぬぞ」
くっと奥歯を噛み締める。
「……なら倒されるまで待っていてください」
「貴様が地に頭を伏せて乞うならな」
「交渉決裂ですね」
剣と拳がぶつかり合う。
「兄さん!」
一方でトゥーンとジュニアが激しい接戦を繰り広げていたところ。未だとばかりに飛び込んだルイージがトゥーンを捕らえたかと思うと明後日の方向に投げ飛ばし、残されたジュニアがその隙を狙って向かってくるのをルイージが声を上げて。
「任せとけ!」
ジュニアの頭上に影が差す。はっと振り返った時にはもう遅く。
「させるかあぁああ!」
……え?
「お前っ」
次の瞬間マリオの攻撃は飛び込んだクッパの拳により相殺された。
「ジュニアには指一本触れさせん!」
「敵を庇ってどうすんだよ!」
「敵ではない! 我が輩の可愛い息子だ!」
「親馬鹿かよ!」