第二章-前編-
バトルルームに戻ってきたロックマンは元の姿に戻っていた。
まさか、ロボットだったなんて。試合中目立った苦戦を強いられることもなく悠々と勝利を収めて立ち去る彼に余計な声をかける者は誰一人いなかった。ルーティはその背を見送った後で改め、WINNERとモニター画面の中で大きく称えられるロックマンの名前をじっと見つめて。
……あれが。第四正義部隊『フォーエス部隊』のリーダー……
「久々にいい汗をかいたな!」
「冗談やないでほんま。生きた心地せんかったわ」
タオルを首にかけて笑うファルコンとは裏腹に息をつくドンキー。
「……あんなん戦場で会うたら恐ろしいで。絶対殺すゆう目やった」
呟くドンキーに遠く話を耳にしていたパックマンが失礼な、とこぼして。
「なに負けてんだよ!」
ルーティはびくっと肩を跳ねる。
「“決勝戦で会おうぜ”って約束したじゃねえか!」
「トゥーン。俺たち同じブロックだからどの道無理だよ」
ネスがじとっとした目で突っ込む。
「し、仕方ないだろ。強かったんだから」
「トゥーンはこれからだよね」
頑張ってね、とリュカが小さな拳を握る。
「……頑張るけどさ」