第二章-前編-
ルーティは釣られてモニターを見た。いつの間にか画面は切り替わっており次の試合の参加者の名前が並んでいる。ドンキーとディディー、ファルコンとオリマー、Wii Fit トレーナーとハル……それから。
「あれっ」
思わず目を丸くした。
「どういうことかゆうてんねん」
ドンキーは困惑を隠しきれない様子でリンクに詰め寄る。
「ですがこれは」
「――その表記に誤りはない」
至極冷静で且つ棘のない声に二人は振り返った。
「志望したのは俺だからな」
第七回戦。モニターの画面に映し出された参加者の名前。
その、四組目。
ロックマンには組むべきパートナーがいなかった。
「僕たちみたいに三人チームにすればよかったのに」
ぽつりと呟いたローナに、
「それには及ばない。ここでの組み合わせには少しばかり自信がある。余計な参入をして彼らのコンビネーションを乱したくない」
ロックマンは振り返った。見つめる先には、ルーティ。
「じゃあ行ってくるよ」
笑いかけられ。い、いってらっしゃい、と小さく返すことしか出来ず。
「なんや格好つけてからに」
呆れ顔のドンキーに居合わせたマークとルフレが視線を交わす。
「やっぱどっか抜けとるんとちゃうか――」