第二章-前編-
息をするように青い光の点滅をゆっくり繰り返していたパネルから今、二人の男が戻ってきた。モニターに映し出されるのはユウとリオンの名前。
……勝ったのである。
「ごめんねナナ、負けちゃって」
「ううん。楽しかったもの!」
微笑ましいやり取りの傍を抜けてデデデが二人に声をかけた。
「なかなか面白い戦いだった」
ユウは視線を上げる。
「しかし珍しいな」
デデデはふっと笑って。
「お前が相手の攻撃の手を読み切れないとは」
――直後、リオンは撃墜されていた。
それでもそれまで溜まっていたダメージのお陰でその時生じた隙を逃さずユウも青年の撃墜を狙えたわけだが。それにしたってあのリオンが彼の言葉の通り相手の攻撃の手を読み切れないとは珍しい。普段こそあの態度だが戦闘中は攻撃の手を許さない、俊敏且つ大胆な立ち回りで圧倒するというのに。
「まさか、見惚れていたか?」
デデデがからかう。けれどリオンは答えなかった。
「大丈夫だった?」
「……はい」
遠くある人たちの会話を見つめて。
「少し掠めただけです――」