第二章-前編-



――第二回戦。

「うわっ!」

モウカの低い姿勢からの拳の突き上げを躱したがその後ろから隙を埋めるようにシラヌイが突っ込んできてフォックスは咄嗟に両腕を構えて防御。途端、にぃっと口元に笑みを浮かべてシラヌイの背後から銃撃が襲う――後方空中に退いたモウカの二丁の光線銃による中距離からの乱射攻撃。

なんて危険極まりない戦い方なんだ! 一歩間違えれば仲間に当たってしまうというのに、あの余裕の笑み。一度地面を蹴り出して肉弾戦を仕掛けるシラヌイの背後から容赦なく。手慣れたもので確実に、拳を躱せば銃弾が襲う。

「フォックス!」

既の所、といったところか。阻むようにファルコの蹴り出したリフレクターがフォックスの目の前に飛び込んできた。

結果として跳ね返された光線銃を避ける為にシラヌイは後方に退いたが――

「うおっ!」

ファルコの直ぐ側を手裏剣を象った水が飛んできた。……水!?

「逃がさないよ!」

構えるミカゲより後方、叫んだパックマンが手のひらを差し出すとその手のひらの上に色とりどりのブロックノイズが生まれた。軽快な電子音を響かせながらやがてそのブロックノイズが作り出したのは複数色のドットで生成された飛行機のようなもの。それを拍子抜けするような高く奇怪な音を響かせ、投げつける。

見やすい攻撃――かのように思われた。けれどファルコが冷静に回避しようとしたその時、直ぐそこまで迫ってきていたそれは軌道を変えて宙返り、死角へ。

「んなっ!」

気付いて身を屈め躱した、が。視界の端に影。

「ファルコ!」

次から次へと。見たことも聞いたこともない攻撃を――いつの間に、パックマンの跨った消火栓から吐き出された巨大な水鉄砲に押し出されるようにして低い姿勢で突っ込んでくるミカゲを正面に見据え、構えて。

「上等だ」

ファルコはにやりと口元に笑み。

「かかってきな!」
 
 
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