第二章-前編-
最後に転送されたローナは地に足を付くなり見上げて、声を上げた。
「おおっ、縞パン!」
「ふゃん!?」
思わぬ指摘にピチカは慌てて両手を後ろに回しスカートを押さえた。……ローナはピチカの立っている足場の直ぐ下に転送されていたのである。
「もうっ! 一番にやっつけるよ!」
「後で見せてあげるからそれでおあいこというのはどうだね?」
「よくないよ! ばかっ!」
こちら側の会話はバトルルームで待機している人たちには聞こえていない。聞いているこっちが恥ずかしくなるような会話だ、結果オーライというか。
ルーティは頬を微かに紅潮させ、苦笑いを浮かべて。
風が吹いている。背景は山々を見下ろす雲の上。
ぽつりと浮かんだ舞台。
「いやぁ、ピチカが苺パンツを卒業しててよかったよかった。成長だね?」
「ローナってば!」
……動作による異常はなし。
「恥じらいを感じる辺りが相変わらず乙女!」
「おやめなさいな」
カウント確認。
「もう」
ピチカは膨れっ面で向き直る。
「後で訴えてやるんだから――」