第二章-前編-



「へえー」

ニット帽の少年パックマンが声を上げた。

「初っ端から『X部隊』リーダー戦かぁ」


そう。僕とウルフが戦うのは。

トーナメントの記念すべき一回戦。


「これは見逃せないねぇ」

ししっ、と意地悪く笑って両手を頭の後ろに回す。

「要領よくいきましょう」

リンクは手を叩いて、

「一回戦の参加者は機械の方へ」

声をかけるよりも先にウルフは歩き出していた。ルーティは慌てて後を追う。

「……よう」

ひと足早く其処にはネロ、シフォン、ローナの三人がいた。

「まさかお前らと初戦でぶつかるなんてな」
「たっぷり可愛がってあげるから覚悟なさいな」

シフォンは肩を竦めて微笑を浮かべる。

「三人チームだからハンデがあるけど油断しないことだね!」
「あはは。忠告ありが」
「おにぃ!」 
 
 
27/53ページ
スキ