第二章-前編-
「へえー」
ニット帽の少年パックマンが声を上げた。
「初っ端から『X部隊』リーダー戦かぁ」
そう。僕とウルフが戦うのは。
トーナメントの記念すべき一回戦。
「これは見逃せないねぇ」
ししっ、と意地悪く笑って両手を頭の後ろに回す。
「要領よくいきましょう」
リンクは手を叩いて、
「一回戦の参加者は機械の方へ」
声をかけるよりも先にウルフは歩き出していた。ルーティは慌てて後を追う。
「……よう」
ひと足早く其処にはネロ、シフォン、ローナの三人がいた。
「まさかお前らと初戦でぶつかるなんてな」
「たっぷり可愛がってあげるから覚悟なさいな」
シフォンは肩を竦めて微笑を浮かべる。
「三人チームだからハンデがあるけど油断しないことだね!」
「あはは。忠告ありが」
「おにぃ!」