第二章-前編-
ざわざわ、ざわざわと。
暇を潰していた人も数人戻ってきた。その中にはウルフも混ざっており、初対面相手に気を遣ってくれたのかはたまた居心地がよくなかったのか、ルーティは煙草の匂いを鼻で感じた。見上げると、一瞥頂いてウルフはモニターへ視線を移す。
「よっ、どうなったんだ?」
今しがた駆け込んできたソニックがスネークの横に並んで見上げた。
「……いや」
スネークは興味深そうに腕を組んだ。
「まさかトーナメントでチームを組むことになるとはな……」
――そう。
先程モニターに映し出されたトーナメント表には二人以上の名前が赤や黄といった四角い線で囲まれていたのだ。即ち、チーム戦。
それもランダムで選ばれたといった話ではないらしく、チームの相手というのも『X部隊』として活躍する上で制度によって組まれたパートナー、その人で。
僕の場合は。
「俺が提案したんだ」
言って、前に出てきたのはロックマンである。
「確かにあのまま個人個人で戦うのも面白いとは思う。だが此方はシステムもよく分かっていない、不安定な足場の上にやっと立ち上がれた状態なんだ」
また小難しい例えを。
「見渡す限りが敵よりは補う仲間がいた方がより良い初戦になると思ってね」
「こればかりは賛成です。俺たちは経験者ですから」
成る程。ルーティは改めてトーナメント表を見つめる。
さっき小さく声を洩らしたのは何もそれだけが理由ではない。