第二章-前編-



……えぇと。ルーティは頭の中で計算した。

『X部隊』が四十二名と『フォーエス部隊』が十七名。その内でレッドは非戦闘員だから今回のトーナメントに参加するのは合わせて五十八名。二人ずつ戦っていくのにかかる時間は凡そ五分。つまり、最後の試合を終える頃には――

「どのくらいかかんの?」
「二時間半といったところだな」
「ええー? 昼飯はどうするのさ」

カービィはこんな時でも心配なのはそこなのか。

「うえぇ。二時間もモニター眺めてたら目が悪くなっちゃうよ……」
「見たい試合だけ見ればいいじゃない」
「全部見たいよ!」

リムの提案にピチカは反論。

「では、参加者のモチベーション維持の意味合いも兼ねて一試合の対戦人数を」
「……五人以上というのはどうかな」

口を挟んだのは神剣モナドを背負う青年シュルクだった。

「何を言っておるのだ。大体、それが出来れば苦労は」
「出来ればいいんだよね」

そう言ってシュルクがポケットから取り出したのは小さなチップ。

「このチップには新たな機能やステージを追加する更新ソフトが入ってる」
「システムアップデートですか」

リンクは顔を顰める。

「……具体的には」
「上手く読み込めば最大八人での大乱闘が可能だよ」
「見るのも触れるのも初めてなのでしょう?」

加えて初対面だというのに急な提案を受け入れてもよいものか……
 
 
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