第二章-前編-
暫くして満足したのかロックマンが戻ってきた。
「……いや、驚いた。大したものだ」
ルーティを正面にもう一度機械を振り返って。
「あれが如何に高度な技術を使っているのか素人目に見ても分かる」
向き直り、
「これは是非一度お目にかかりたいところだが……所在地は」
「さ、さあ。僕たちが入隊してここに来た時には既にあったものだし」
亜空間なんてどう説明すればいいんだ!
「そうか……」
ロックマンはしゅんとした。
「よろしいですか?」
「……ああ」
にこりと笑って、
「では準備の方を致しますので」
リンクが機械を操作するべく踏み出した、その時である。
「ちょっと待った!」
声を上げたのはトゥーンだった。
「その対戦形式って、トーナメントだよな?」
「はい、その予定ですが」
トゥーンは顰めっ面で腕を組む。
「この人数だぜ?」
本人はあまり乗り気じゃない様子で。
「一対一で戦ってたら物凄い時間かかるんじゃね?」