第二章-前編-
「……!」
自動式のドアが横に開いて迎えると先頭のロックマンは目を丸くした。
「あっ」
かと思えば真っ先に中央奥の観戦用モニターの前へ。
見上げて、次いで機械の方へ。
「餓鬼かよ」
ウルフがぼそっと言うのをルーティはすかさずひと睨み。
「仕方ないよ。僕たちの寮には無いものだから」
そう返したのは軍師である青年マーク。その隣に居るのは同じ軍師で且つ妹の少女ルフレ。二人は双子らしい。同じ配色に同じ装飾、模様の施されたローブを揃って着ているがフードを頭に被せたら見分けがつかなくなりそうだ。
「技術者は一人でこれを作ったと聞いたけど」
ぎくりと肩が跳ねる。
「凄いな。本当に誰だろう」
「あ、あはは」
世界は広いんです。そういうことにしといてください。
「私たちの寮にも欲しいわね」
「かかった時間以上の価値はあるぞ……」
もはや何も言うまい。