エピローグ
「──!」
次の瞬間立ち竦む双子の間を駆け抜けたのは、青白い光纏う稲妻だった。それを仕掛けたその少年は口元に薄く笑みを浮かべると。
「ごめんね?」
一点の濁りもない純粋な眼で。
「神様になったら──僕のことだから力を使い果たしてでも絶望や不平等を払って全ての生き物の幸せを願うのだと思う。でもその内に全部嫌になって我が儘になってこの世界なんて消えちゃえなんて思っちゃうかもしれない」
胸に手を置いて。
「僕は──例え神様でも僕を止める役目を皆に背負わせたくないし」
……それに。
「もしかしたら止められないかもしれないって一瞬でも思ってくれた大好きな人たちを置いて神様になんかなれないよ」
どこまでも。
甘くて。愚かで。
「……そうか」
でも。だからこそ。
「くくっ」
人間は──この世界は面白い。
「くははははは……!」
ルーティは目を丸くした。
「そうだな。お前はそれでいい」
「そんなことだろうと思ったんだよね」
双子は声を揃えて笑う。
「結局、僕たちが一番神様に相応しいんだってそういうことだろ?」
クレイジーはふふんと鼻を鳴らす。
「ぽっと出の子供に務まるはずもない」
「だよね。しょうがないなぁ」
言いたい放題である。
「ふふ」
小さく笑みをこぼして。
「……これからもよろしくね?」