エピローグ



沢山の人に護られながら。愛されながら。

僕は生きているんだって実感する。

「ルーティ」

そんな最中訊ねられたのは。

「神様にならない?」


ルーティは呆気にとられていた。タブーが浮遊しながら後ろに下がると入れ替わるようにしてマスターとクレイジーが地上に降り立って。

「どういう、」

口を挟もうとしたファルコをフォックスが口の前に手を差し出して止めた。

「びっくりするよね」

クレイジーは薄く笑みを浮かべて首を傾ける。

「言葉そのままの意味だから安心してね?」

余計に困るのだが。

「お前なら。相応しいだろうと思ったんだ」

マスターが言葉を繋ぐ。

「全ての生き物を慈しみ愛すことができる」

自分の胸に手を当てながら。

「それだけなら誰でも当てはまるだろう。だがお前はどんな絶望の中でも奇跡を起こし未来へ導く希望の光となれる力を持つ。それも特殊な能力が備わっているという話ではない。お前の中に眠る"無意識の本質"というものだ」


どくん、と。

心臓が高鳴った。


「だからこそ俺たち兄弟は判断した。お前ならこの世界を任せられる──と」

僅かに疼く気持ちを抑えながら。

「マスターとクレイジーはどうなるの」

返す。

「お前に創造と破壊の力を託したら、今度こそ本当に消えちゃうかもね」

クレイジーはくすくすと笑う。

「いいんじゃない。負の感情を全て引き付けて消えるなんてハッピーエンドだろ?」
 
 
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