第二章-前編-
「まっ、いいんじゃねーか?」
とファルコ。
「どうせ今日は何の予定も入ってないしな」
「入れる予定もなかったということか?」
「うるせえ、こっちは長期任務明けで疲れてるんだよ」
続け様、
「大乱闘は別だがな!」
やれやれと息をつくフォックス。その他メンバーも反応からして非歓迎というわけでもなさそうだ。それに――まだ見ぬ能力者たちを交えた大乱闘なんて、ああして遠慮がちな態度をとったものの面白そうである。
「決まりだよねっ!」
ぱあっと明るい笑顔でピチカが声を上げる。
「皆でバトルルームに行こうっ!」
バトルルームとは。
疑似体験型のバトルシステムが搭載された特殊な部屋である。
広々としたこの部屋の向かって左側には技術経験者も安易に触れられないであろう様々な機械が設けられ、右側の床には円形のパネルが四つ設置されている。
こう見えて遊び方はとっても簡単。まずは左側の機械を操作して対戦上のルールやステージを設定し、パネルが青い光を灯したら準備完了。
後はパネルの上に乗るだけで設定したステージへ自動的にワープ、ルールに従って対戦を行うことが出来るのだ。
パネルの先はバーチャルの世界、そこで負った傷も対戦が終了すれば自動的に回復するというまさに安心と信頼の近未来型超高性能システム。
……まあ、造ったのはマスターだけどね。