エピローグ
で、……でっ……
「なんでここにいるの!?」
声を上げたのは言うまでもなく。
からかうようにルーティを挟んで囁いたのは悪なる双子。印象的な黒の衣装に身を包み創造と破壊を司るこの世界を管理する者。
「マスター! クレイジー!」
くすくすと笑う彼らは確かにこちらのかけた心配など無用と言って嘲るようにその身に欠片も傷や代償らしきものを見せずふわりと軽やかに宙に浮かび上がると見下ろして。その直後ルーティを追って飛び出してきた仲間たちが次々と声を上げたのは当然のこと言うまでもなく。
「可愛らしいところもあったものだ」
「僕たち愛されてるねえ?」
一体どこからどこまでが筒抜けだったのか知らないが悦に浸る彼らを見る限り、際限などなくどこまでもお見通しであるような気もする。
「消えたはずじゃ」
「ふふっ」
クレイジーは肩を竦めて笑った。
「僕たちが居なくなったら困るでしょ?」
それはそう──その通りなのだが実際言われてみると何というか認めがたいものがある。
「消えていたのは紛れもない事実」
クレイジーは人差し指を唇に当てる。
「万能じゃないからね。口ではそう謳うけれど神力が尽きれば回復を待たなければいけない。回復を図るのに無防備な姿を晒して眠りこけるなんて馬鹿でもしないでしょ?」