エピローグ
ああ。……ああ。
正義として悪を討つ都度。間違っているのではないかと自分の正義を疑う日もあった。けれど臆病な自分は繰り返し振りかざして突きつけることで牽制しながら。最後には叩き伏せた。
否定されるのが怖かったのだ。
「……ありがとう」
清々しい瞬間だった。
「それで。……それだけで」
ロックマンは静かに息を吸って笑いかける。
「……充分だとも」
少しの間を置いて踵を返す。
「隊長」
「ロック」
俺たちには。
かけがえのない仲間がいる。
「さあ」
その幸福を静かに噛み締めながら。
「──帰ろうか」