エピローグ



足音。

「ルーティ!」

はっと顔を上げた先で泣いている。

「フォックス」
「本当に」

ファルコが静かに肩を抱く。

「目を覚ましたんだな」

高ぶる感情を抑えられない人たちを見て。

次第に事の重大さを察する。


僕は。


「ウルフ」


どれだけの間。

待たせてしまったんだろう──


「……馬鹿野郎」
「うん」

力強く抱き締めて。

ちっとも顔を見せてくれなくて。

「起きるのが遅くなっちゃってごめんね」

沢山の感情を受けて溢れる。

「おはよう、皆──」


あの後。

話を聞いて驚いた。丸一日なんてそんな可愛いものではなく自分はなんと二ヶ月も眠っていたというのだから俄かには信じられない。


それでも。

真実なのだろう。


そんな大掛かりな嘘の為に感情を振り回されるのならそれはもう名俳優というものだ。


違うんだよ。

僕の知っているこの人たちは。


ただ。他の人よりほんの少しだけ優れているというだけなのだから──
 
 
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