エピローグ
錆び付いていた刻が動き出して。
「はは」
……高鳴る。
「ほんと」
感情が溢れだす。
「ねぼすけにも程があるだろ……っ」
どたどたと。
慌ただしく飛び込む。
目を覚ましたんだ。
あの人が。
調理の手を止めて口元を覆う者。稽古のために握っていた剣を落とす者。言葉を失ってしまう者。感極まって泣き出してしまう者。
「本当に?」
虚勢を取り払われて泣き崩れる。
「守れたんだ」
涙が伝い落ちて笑う。
「はは」
沢山の感情が溢れだして止まない。
「迎えにいこう」
ぼろぼろと涙をこぼすカービィの肩に手を置くメタナイトの仮面の下を雫が滴り落ちる。
「こんな素晴らしい日は」
仮面を取り払って穏やかに笑う。
「稽古なんてしている場合じゃないだろう?」