エピローグ



それは。


春のように柔らかくて。夏のように朗らかで。

……秋のように。憂いを抱きながら。


冬のように冷たく研ぎ澄ます。


さりげなくて。

そんな世界が当たり前で。心強くて。


季節は巡り出す。

巡る。


そしてまた戻ってくる。


「あ」


戻ってきた──


「うああぁああああん…………っ!」

ぼろぼろと涙をこぼしながら大声を上げて泣きつく彼女をルーティは困惑に表情を染めながら訳も分からず優しく抱き止めて。

「え、えっ?」
「戻ってきたよう……っ」

事態を聞きつけてきたディディーとトゥーンがその光景に目を開く。

「おにぃが目を覚ましたよお……!」
 
 
5/18ページ
スキ