エピローグ
それは。
春のように柔らかくて。夏のように朗らかで。
……秋のように。憂いを抱きながら。
冬のように冷たく研ぎ澄ます。
さりげなくて。
そんな世界が当たり前で。心強くて。
季節は巡り出す。
巡る。
そしてまた戻ってくる。
「あ」
戻ってきた──
「うああぁああああん…………っ!」
ぼろぼろと涙をこぼしながら大声を上げて泣きつく彼女をルーティは困惑に表情を染めながら訳も分からず優しく抱き止めて。
「え、えっ?」
「戻ってきたよう……っ」
事態を聞きつけてきたディディーとトゥーンがその光景に目を開く。
「おにぃが目を覚ましたよお……!」