第二章-前編-
和やかだった空気が。
「え?」
一瞬にして――凍りついた。
それなのにロックマンは懲りずにまた笑いかけるのだ。
「どうだろう」
「そっ」
ルーティは慌ただしく立ち上がった。
「そんなこと出来ないよ! だ、だって僕たちは同じ――」
「ああ失敬。これは言い方が悪かった」
はたと止まる。
「バトルルームがあるだろう?」
ロックマンは腕を崩してカップの取っ手に触れると。
「そこのシステムを使って戦ってほしい」
「大乱闘のこと?」
持ち上げて、コーヒーを啜る。
「……生憎うちの寮ではそういった高性能なバトルシステムを開発できる予算も、飛び抜けて頭のいい人もいなくてね。前から気になっていたんだ」
ルーティはとりあえず椅子に腰を下ろした。
「お察しの通り」
カタンと音を立ててカップが小皿に戻される。
「見舞いだの何だのとは口実で初めからこれこそが目的だった。だが気を悪くしないでほしい。我々は君たちと親睦を深めたいだけなんだ」