最終章-後編-
な、……っな……
「なんで生きてるんだよ!」
「酷い言われようだな」
その人は呆れた様子で息を吐く。
「数秒前まで生還を望んでいただろうに」
神と神の力がぶつかったあの瞬間。
ウルフは──腕を伸ばして脱力するルーティの腕を捕まえると空いた腕でロックマンを捕まえ羽根で包み込んだ。吹き飛ばされる最中僅かに残された神なる力を纏って地面に飛び込む。
受けるべき衝撃を"零"にして。
「私は知ってましたよ?」
「本当かな……」
笑うパルテナにカムイは苦笑い。
「……!」
突き出した堅い地面の影となってこれまで窺えなかったがロックマンの傍らにはウルフとそのパートナーであるルーティの姿があった。
「心配は無用だ。敵性はない」
はっきりと告げられる。
「ルーティはもとにもどったよ」
ギクリとして目を向ければ柔らかく笑いかける禁忌神タブーの姿が。
「っ……」
タブーは不思議そうに首を傾げる。
「なにもしないよ?」
「信用できるわけないだろ」
「ちからをつかいきっちゃったから」
そう言う割には平気そうな顔をしているがひとまず敵意はないようだ。
「、!」
ロックマンは小さく目を開く。
「もう」
その顔を隠すように額を胸に押し付けて。
「隊長以外に務まらないだろ。正義部隊は」
静かに目を細める。
「……そうか」
温かな感情を噛み締める。
「おかえりなさい」
小さく息を吸い込んで穏やかに笑う。
「……ただいま。……皆」