最終章-後編-
ドクターが叫ぶと同時。ルーティの左目が強く瞬いた。破壊の能力が発動する──それだけは分かっていてもここで退くことは許されない。隙を埋めるようにして次々と攻撃を打ち込むこの連携術は一度攻撃の手を止めたら最後標的に体勢を持ち直され意味を成さない。
脳裏を過る。最悪の結末。
あの日少女から告げられた絶望の光景。
それでも。
「──大丈夫!」
その言葉に根拠がなくても。
「未来はッ」
何度だって僕たちは。
「変えられるんだあああああッ!」
絶望を振り払う。
「うおおおぉおおおおおッ!」
覇気を込めた声を響かせて振るわれた剣は寸前展開された魔方陣を見事に砕いた。生じる隙を恐れることなく伸びた手を迷わず掴む。
「、シュルク!」
絶対に離すものか。
今度こそ。
「──マーク!」
届く。
「ルフレ!」
叫んだと同時に解き放たれる。
「ギガファイアー!」
炎の球がルーティの側面を掠めた。それにより灯した赤の光は失せて強力な魔力の気配が消失する。隙を逃さず薙ぎ払ったマークのサンダーソードが直撃とまではいかなかったが頬を掠め赤の一線を彩った。希望を前にけれど柄を強く握り締めてマークは顔を上げる。
「ルキナ!」