最終章-後編-



小さな影が差し込む。

「こっちじゃ!」

放つ光線弾をわざと外して。

「モウカ!」

弾を受けないよう体を反らせながら、死角から飛び込んだモウカが腕を振り下ろし斬撃を繰り出す。しかし尚どういう理屈か回避を成功させ切り返しを仕掛けようと踏み込むルーティを。

「リュウ!」

モウカの背後から飛び出してきたリュウが真っ向から拳を振るって相殺。すかさず引いて屈み込み固く握り締めた拳を跳び上がりながら突き上げるが得意の技も潜るように躱された。

「カンナ!」
「はい!」

リュウの脇から飛び込んできたのはカンナ。

「させません!」

隙を突こうと迫るルーティを牽制するべく剣を払えば思惑通り足が止まる。

「カムイ!」

叫ぶ。上空から剣の連撃が降り注ぐ。

「パックマン!」

躱されても尚怯まない。

「──!」

遂に打ち込んだ拳の先端が頬を掠めた。パックマンは思わず小さく目を開いたが即座に姿勢を低くして次の手へと繋ぐ。

「ミカゲ!」

その背を飛び越えて水で形成した苦無を両手に構えて交差するように払えばルーティの目前を薄い防壁が阻んだ。けれど咄嗟に展開されたであろうそれは強度というものが極めて低く呆気なくひび割れて突破されてしまう。

だが。

「来るぞ!」
 
 
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