最終章-後編-
柔らかな風が吹き抜ける。
「……!」
土を踏む音に。
「……な」
ゆっくりと目を開けば。
「、どうして……」
そこにいたのは。
命に代えても守りたい人達の姿。
「死ぬかもしれないんだぞ」
叫ぶより確かめるように。
「なのにどうして、」
全て語るより先に気付いた。
「……隊長」
パックマンは笑いかける。
「変わらなくていい未来だってあるんだよ」
ああ……そうか。
だから、俺たちは死んだのか。
本当に守りたかった者たちの為に。
俺たちは戦ったんだ。世界を救う為でも絶望を覆す為でもなく優しく温かな愛しい日々を。
もう一度。……歩むために。
「変わらなくていいじゃん」
優しく染み渡る。
「隊長もオレ達も」
満たされる。
「どんな未来でも運命でも」
……癒されていく。
「戻ってきてたと思うよ」
ああ。ああ。
積み重ねてきた日々は。
確かに、この瞬間の為にあったのだ。
消えていなかった。無駄などではなかった。
……俺たちは。
この日の為に生きてきたんだ。