最終章-後編-



痛々しく。──伝わる。

厳しくも優しく直向きで純粋な想いが。

「正義のヒーローになりたかった」

空を仰いでぽつりと。

「君たちは働きかけてくれた。時には矛盾して納得のいかない我が儘でさえ叶えてくれた──それが例え間違ったやり方でも正義の在り方と認めて指揮を取る隊長の自分を助けてくれた」

滲む。

「死ぬなんてあんまりじゃないか。逃げても、戦っても救われないなんて。君たちがどんなに尽くしてくれたか綴れど語れど足りないのに。それなのに──それを"運命"と一括りにして途絶えてしまうなんて惨いじゃないか」

こぼれ落ちる。

「頼む……隊長として。仲間として」

振る雨のように。

「聞いてほしい」
「隊長……っ」

ゆっくりと息を吐き出し整えて告げる。


「……ここから逃げてくれ」


ロックマン。隊長。

決して弛まぬ正義の意志は強く気高く。


僕たちの誇りだった。


「ハル君」

トレーナーが肩の上に優しく手を置いた。

「行きましょう」
 
 
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