最終章-後編-
◆最終章『ありがとう-後編-』
あ、……え……?
「隊長?」
絶望に伏して希望を放棄したはずの隊長が。
「な、なんで」
パックマンは引き攣った笑みを浮かべる。
「……あは」
声が震える。
「パックマン知ってるよ。守ったって守らなくたって無意味なんだ。だから隊長はどうせ死ぬなら戦って死ぬことを選んだんだ。そうだよね分かるよ正義の味方を全うしたいよね」
ロックマンは黙っている。
「いいよ。じゃあ戦おうよ皆で。何をしたって無駄な足掻きでしかないなら未来が変わらないのならいっそのこと皆ここで死んじゃお」
攻撃の音が鳴り響く。
「……あはは」
自分のすぐ足下にエネルギー弾を撃ち込まれてパックマンは乾いた声で笑う。
「自暴自棄になったからって怒ってんの?」
「やめてください」
ルキナが手を差し出して静止を促す。
「隊長」
けれどロックマンは呼びかけに応じない。
「分かりました」
ルキナは意を決したように口を開く。
「戦いましょう」
「ッなに言ってんだよ!」
「私も同じ気持ちですから」
胸の上に手を置いて。
「この命──捧げて散らせるなら戦場がいい」
何ひとつ変わらず成し遂げられなかったのだとしても。この世界の為に費やせたなら。
「いいや違う」
ロックマンは口を開いた。
「君たちは──ここから逃げてくれ」