最終章-前編-
次々と襲い来る黒塗りの敵を力いっぱい振るった拳で殴りつけて応戦するファルコンとガノンドロフ。砂利を踏み込んで三度殴り飛ばせば、応戦中のワリオの背後から斬りかかろうとしていたスタルフォスの体に直撃して。
「油断しないで!」
ほんの少し気を取られただけのつもりでも敵が背後を取るのは早くアイクの死角から攻撃を下さんとしていた揺らめき浮遊する黒い影はサムスの一声と同時に銃弾に撃ち抜かれて。無論それだけでは消滅するはずもなかったが追い討ちをかけるべくオリマーによって投げつけられたピクミン達が伸し掛かり叩き込む。
「いけるか!」
フォックスが声を上げて振り向いた先ではリオンが波動弾を練っていた。敵の攻撃を受けて中断されてしまわないよう立ち回るユウが視線を遣るとリオンは口角を吊り上げて応える。
「ああ!」
練り上げた波動弾は単発で放つものより一回り大きく深い青を渦巻き閃光を走らせている。充分だとばかりにユウが頷くとリオンは腕を引きながら砂利を踏み込み──そして。
「はああああッッ!」
打ち出された波動弾は道中の影を容赦なく弾き飛ばした。立ちはだかる要塞へ向かって突き進む最中四方八方から放たれた光や電撃をエネルギーとして纏い更に肥大化。食い止めるべく生み出された通常より一回り大きなスタルフォスさえ押し退け波動弾は遂に要塞に到達する。
じりじりと押し込んで阻む黒を払っていくが彼方もそう簡単に突破を許してくれない。しかし最大手とも言えようこの攻撃をここで無に帰す訳には。誰もが固唾を呑んだ次の瞬間最大出力と思われる光の一線が放たれた。それは先程と異なりバチバチと鳴き声を上げる漆黒の雷撃を纏わせて波動弾を押し込むように突撃する。
「リーダー!」
これが最後とばかりに──弾くようにして指を鳴らして追い討ちの一撃を放つ。
「くらえええぇええええッ!」