第十二章
光の熱にじりじりと灼かれる。肌の表面が溶かされていくような感覚。腹を貫いた鎖はきっとこの体を存在を維持している神なる力をじわりじわりと吸い取っているのに違いなく事実体の力が今はもう殆ど入らないでいる。
「呆気ないですね」
向かい合う女神はそう呟いた。
「ま、兄さんに勝ったことないからね」
噛み付いた態度を見せるでもなく平然と応える彼の様子に訝しげに眉を寄せる。
「随分と余裕があるように思えますが」
「そう見える?」
くす、と小さく笑って。
「正直ちょっとやばいかな」
視線を外野へ流す。
「囚われのお姫様ってこんな感じなのかも」
音が遠く。
「さっきも言っただろ」
笑み。
「諦めるような連中じゃないって──」
機銃弾を執拗に撃ち込めば僅かに角が欠けた。目に見えた手応えにルーティはこくりと頷くと片手を突き出して雷撃を放つ。
「はあっ!」
一方で別の魔結晶を剣を手に突撃して連続した攻撃を与えていくカービィとメタナイト。とはいえ相手はただの岩よりダイヤモンドより硬いのだから疲労困憊。一向に傷付くような気配もなく二人揃って息を弾ませる。
「──退けッ!」