第十二章



自分たちの影の中に潜んでいたダークシャドウにより足首を掴まれて身動きの取れない最中。容赦なく別のダークシャドウが攻撃を繰り出し避けられない猛撃をお見舞いする。

「あぐッ……!」

ルーティは目を見開いた。

「──スピカ!」
「泣き縋るつもりか?」

頬に黒の閃光を跳ねスピカが鋭い視線を遣るとダークウルフは銃を構えて。

「言っただろ。俺は俺の正義を貫き通す」

ごくりと息を呑む。

「認められないのなら」

轟音と共に雷撃が放たれる。

「全力で止めてみせろ!」

雷撃を躱したが何か言うよりも先に発砲した銃の弾が頬を掠めた。くっと顔を顰めて踏み込み青い閃光を纏って距離を詰める。

「スピカ!」

ああ。嬉しいよ。

本当はずっと全力でぶつかり合いたかった。


……お前は優しすぎるから。


「その甘ったれた根性叩き直してやるよ」

迎え討つ。

「──ルーティ・フォン!」
 
 
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