第十二章
次の瞬間。
「、!」
地面が揺れたのを合図に青色の光を放つ巨大な魔法陣が足下に浮かび上がった。まるで時計の針を刻むかのような音が響いて違和感。兎に角何か攻撃が下されるよりも早く脱しなければと後退を図ろうとしたその瞬間に違和感の正体に気付いて目を開く。
「な……!」
脳から信号を送り出し動作を行うまでの遅延。
言うなれば、スローモーションのような。
「こうも容易く罠にかかるとは」
まさか、とは思っていたが。
間違いない──これは創造神マスターハンドの使役する能力。対象がファイターであれば状況問わず大乱闘で出現するアイテム、タイマーのように一定時間動きを鈍らせることができるといった非常に厄介なもの。
それが自由自在にとはいかないまでもこの魔方陣に足を付けた者に限定して効果が発揮されているらしい。警戒して飛翔した三人はどうにか不利に落ちる事態を逃れたが。
「じっくりと絶望を味わせて差し上げよう」
知らない彼らではない。
本当の狙いは。
「──ネロ!」