第十二章



総勢二十二名。この世界の破滅を防ぐには心許ないがぎりぎり寛容できる人数だった。制圧を完了したら各自速やかに合流すればいいだけ。とはいえ宗教団体を相手に長期戦となる可能性もある。最悪の対処法だけは選ばせたくないが長引くようなら当然やむを得ない。

それでも彼らが上手く立ち回ってくれることを祈りつつルーティ含む小部隊は約束の場所へと歩みを進める。何とすれ違うこともなくまるでこの世界には自分たちの他に生き物が途絶えてしまったかのような感覚さえ覚えながら。

「……いた」

白夜の森の手前に位置する、レイアーゼ高原。

レッドが呟いた視線の先で彼らは確かに待っていた。隊長であるロックマンを先頭に魚鱗陣のような並びで此方を正面に捉えている。

「手筈通りに」

背中に翼を広げて飛び立つネロ。続けて同様にメタナイトと後を追うようにカービィが空高く飛翔する。彼方には手練れの魔導師がいる──何かしら罠を地上に仕掛けている可能性もまずもって否定できない。

彼らに限ってそんなことをするはずが、

……ではなく。


大事なのは信用しないこと。


「くくく」

ロックマンは笑った。

「随分と警戒をされたものだな」

その双眸は包み隠すまでもなく紅い。

「前科があるからね」

ルーティは答える。

「そうか」

似合わない含み笑いが不気味だった。

「……だったら」

ぎくりとして構える。

「隠すまでも無さそうだ」
 
 
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