第十二章



「ああ、第四正義部隊だ!」

歓声を受けながら踏み出した外の世界は。

煩わしいほど陽の光が眩しくて。

「愚かな奴等を!」

靴音高らかに歩みを進める。

期待、称賛。耳に纏わりつく音の全て。


……愚かなのは。


「親愛なる正義部隊の諸君」

頭の中に響いてくる。

「いよいよ、運命を分かつ最期の刻だ」

擡げた双眸は紅の灯をともす。

「──奏でよう」

心臓の鼓動がひとつ。

「最高に素晴らしい君たちの物語を」


……ルーティ。


「、?」

目を丸くして顔を上げた。

「支度は済んだか?」

フォックスが部屋の外から顔を覗かせる。

「う、うん」

嫌な胸の高鳴りを殺して。

「すぐ行く」
 
 
15/49ページ
スキ