第十二章
「ああ、第四正義部隊だ!」
歓声を受けながら踏み出した外の世界は。
煩わしいほど陽の光が眩しくて。
「愚かな奴等を!」
靴音高らかに歩みを進める。
期待、称賛。耳に纏わりつく音の全て。
……愚かなのは。
「親愛なる正義部隊の諸君」
頭の中に響いてくる。
「いよいよ、運命を分かつ最期の刻だ」
擡げた双眸は紅の灯をともす。
「──奏でよう」
心臓の鼓動がひとつ。
「最高に素晴らしい君たちの物語を」
……ルーティ。
「、?」
目を丸くして顔を上げた。
「支度は済んだか?」
フォックスが部屋の外から顔を覗かせる。
「う、うん」
嫌な胸の高鳴りを殺して。
「すぐ行く」