第十一章
まさか。そんなはずが。ルーティを除く誰もが驚愕に言葉を失っている中注目の的であるその二人は先程の攻撃を返すべく起動させた、小型反射板基リフレクターを解除させる。
「、なんで」
言いつけておいたはずだ。
心苦しいだろうが今は奴らに従え。好機は必ず巡るから。……だから。
絶対に自分の意思で勝手な行動は取るな、と。
「申し訳ありません」
「ダークウルフをあまり責めないであげて」
「俺は結果論の話をしているんじゃ──」
「分かっています」
ダークウルフは振り返る。
「……リーダー」
そして。
スピカの前に跪いた。
「俺たちは光あっての影なのです」
静かな口調で。
「貴方が居なければこの身を灼く光の中など、進んで歩み出るはずもなかった」
けれど、直向きで。
「貴方のお陰で俺たちは初めて人になれた」
あまりにも──純粋で。
「……貴方の身が危険に曝されるのであれば」
はっと目を開く。
「この命、喜んで差し出しましょう──」
「ウルフッ!」