第十一章



串刺しに──!

「、大丈夫だから」

はっと目を開く。その頃には頭上に構えられた光の矢の群れも狙いを定めて。

「……だって」


──砂塵。舞い上がり視界を阻む。


射出された光の矢の群れは一本も残さず格子の間を抜けて標的に襲いかかった。頼りの電気を封じられたのでは電気鼠と名高い彼らが身動きひとつ取れるはずもなく攻撃を仕掛けたブラピ本人としても確かな手応えがあった。

「……これで」

誰かがぽつりと呟いた。

「、!」

逸早く察知したのはロックマンだった。

「総員、回避ッ!」


次の瞬間。


「な」

先程打ち込んだはずの光の矢の群れが四方八方弾かれるようにして放たれる。指示の通りに回避の姿勢を取ったが彼が事態に気付かなければ今度自分たちが餌食になるところだった。

「くっ」

カムイは矢の一本を剣で弾いて睨み付ける。

「残念だったな」


この声は。


グレーの髪に紛れた大きな耳。尻尾。その内に砂塵が晴れてその全貌が明らかとなった。

「遅くなって申し訳ありません」
「……お前」

ルーティは笑いかける。

「敵を騙すにはまず味方から、でしょ?」
 
 
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