第十一章
「っ、!」
砂煙を突き破って放たれるエネルギー弾。
それが直ぐ側を横切り壁に激突した次の瞬間攻撃を放った主が飛び出した。此方が構えるより早くその人は首を鷲掴みにすると。
「ッが、は!」
そのまま。勢いよく地面に叩き伏せて。
「だから言ったじゃないか」
視界の端で砂煙が晴れていくと其処にはマークが立っていた。先程の攻撃により受けた傷など気にも留めていない様子で淡々と。
「"僕たちには絶対に勝てない"って」
ロックマン──
「ど、……し」
首を掴まれたまま持ち上げられて宙吊りに。
引き離そうと彼の手首に手を添えたが弱々しく閃光が跳ねるだけで力が入らない。
「何故だと思う?」
彼の双眸は──紅かった。
「初めから難しい話などしていないさ。諸悪の根源を断ち切るのは、多く正義の務めだろう」
ぎりぎりと絞め付けられていく。
「志を同じくする者を"仲間"だと呼ぶのなら俺たちはもう既に違えている。随分前に、──絶望の未来が確定されたその日から」
眩む。
「……じゃ、あ」
途切れ途切れに口から零れる。
「初め、から……?」