第二章-前編-



「誰?」

ちょうど心の中で思った言葉をトゥーンが直接口にした。

ぼさぼさとした(癖だろうか?)茶色の髪の少年を先頭にぞろぞろと。

「……さぁ?」

視線そのままにカービィは応えた。

じっと眺めているとそのまま無遠慮に中庭に踏み入ってきた(聞こえが悪いがそう見えた)のでカービィは話を聞くことにした。すぐ側を通りすがるとメタナイトもさすがに手を止めて「カービィ」と小さく呼んだが、聞かず。一方で先頭を歩いていた少年もカービィが通せんぼするように立ちはだかると足を止めて。

「言っとくけどセールスはお断りだよ?」

からかうように言うが、少年は終始無言で視線を返すだけ。

「……聞いてないんだけどな。大人数での訪問なんて」

攻撃的なそれは何ひとつ窺えない。

カービィが不審に思っていると。


「ああ」


少年は此方の気などお構いなしに手のひらの上にぽんと手を置いた。

「事前に連絡するのをすっかり忘れていた」
 
 
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