第十一章



はは、はぁ、と。小さく息を吐く。

「ルーティさん」

ぎくりと体を強張らせた。

「もし。未来の破滅に自分自身が関与していたとしたら──どうしますか?」


君は命を狙われている。


「ぁ、え」

ぞわりと背を這う。

現実に引き戻されるかのような。

「ルーティさん?」
「っあ」

、駄目だ。今ここで取り乱したら。

だって、彼らは。


僕が知っていることを知らない──


「すみません」

ルキナは申し訳なさそうに瞼を伏せながら。

「驚かせてしまいましたね」
「そ、そそ、そんなことないよ」

流石に今度ばかりは誤魔化しきれない。彼女の視点からしてみればあからさまに動揺が表情に滲み出てしまっていたことだろう。

「えっと」

落ち着いて答えよう。

「……想像は、出来ないけれど……もし、僕のせいでこの世界の未来が誰も望まない破滅へと向かおうとしているのだとしたら」

ひと呼吸置いて。

「僕は。──自らの手で、命を絶つよ」
 
 
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